韓国のお葬式ってどうするの?実際に参列して分かったマナーと流れ

韓国お役立ち情報

大切な人とのお別れ。
今回は韓国でのお葬式のマナーについて、実際の私の経験も踏まえてご紹介します。

日本との文化の違いもあり、初めての時は少し戸惑ったので、これから参列する方の参考になればと思います。韓国は“形式より気持ち”を重視する雰囲気があり、マナーもそれほど厳しくありませんが、最低限の流れを知っておくと安心です。

カカオトークで届く「부고(訃報)」

韓国では、家族からカカオトークで一斉に訃報が届きます。

内容には、

  • 故人名
  • 葬儀場(병원 장례식장)
  • 面会できる室の番号
  • 参列可能な時間帯
  • 口座番号(조의금・香典の振込先)

などが書かれていることも多いです。

最初は口座番号まで載っていることに驚きましたが、行けない人のために振り込み先を載せておくのは一般的で、韓国らしい文化のひとつです。

香典は“基本は受け取る文化”。ただしごく一部は辞退も

韓国は日本以上に「香典を渡す・受け取る」文化が根強く、ほとんどの家庭は受け取ります。

でも例外的に、

  • 故人の希望
  • 宗教的理由(キリスト教系に多い)
  • 家族葬で簡潔にしたい
  • 経済的なやり取りを避けたい

こういった事情で 「조의금 사양합니다(香典辞退)」 と明記されていることもあります。
ただし、本当に少数派です。

訃報メッセージに書いていない場合は、基本は香典ありと考えて問題ありません。

行けない場合は“メッセージ+送金”が一般的

仕事や距離の関係で参列できない場合は、

  • カカオメッセージ
  • カカオペイ送金
  • 口座振り込み

これがとても一般的です。

特にカカオペイは、カカオトーク内でメッセージ付きの 송금봉투(送金封筒) として送れるので、利用する人が多いです。

服装はかなり自由。ラフな格好の人も多い

実際に参列して驚いたのは、服装が想像以上に自由なこと。

  • 黒っぽいトップス+パンツ
  • コート
  • 落ち着いた色味の普段着
  • 仕事着そのまま

など、本当に幅広いです。
全身ブラックで固めていない人も多く、重たすぎない格好で自然でした。

仕事の合間・朝でもOK。参列時間は自由

韓国の葬式は一般的に3日間行われるため、参列者は都合の良い時間に行きます。

  • 出勤前の早朝
  • 昼休み
  • 仕事終わり
  • 夜遅く

時間帯は本当に自由で、日本のような「式のタイミング」はありません。

多いのは仕事終わりの夜ですが、行ける時に少しでも顔を出すという感覚で、遺族に挨拶だけして帰るパターンも多いです。

香典を渡すときは封筒に一言メッセージが◎

韓国では、香典のことを 조의금(弔意金)부의금(賻儀金)부조금(扶助金) と呼びます。
どれも意味は同じで、日本の「香典」にあたります。
普段もっともよく使われるのは 조의금 です。

香典を手渡すときは白い無地の封筒で問題ありません。
式場にも封筒とペンが置いてあるところがほとんど。

韓国の葬儀場で置かれている封筒には、賻儀と印刷されているものもよく見かけます。


韓国では封筒に名前と一緒に短いメッセージを添える場合もあります。

  • “삼가 고인의 명복을 빕니다”(故人のご冥福をお祈りします)
  • “깊은 애도를 표합니다”(心よりお悔やみ申し上げます)

私はいつも何かひとこと添えて書くようにしています。

焼香・절(拝礼)・献花…参列のスタイルはいくつもある

韓国のお葬式は、家庭の宗教やスタイルによって参列方法が異なります。

◆ 焼香(향)

  • 一礼
  • 焼香1回(家によって2〜3回)
  • 黙礼

◆ 절(拝礼)

伝統的な韓国式で、宗教に関係なく使われることもあります。
1回、または2回の절が一般的。

◆ 花を添えて黙礼だけ

最近増えているシンプルなスタイル。
宗教色を出さない家庭に多いです。

◆ どれをすればいい?

入口の案内板に「향」「절」「헌화」など書かれているので、
案内に従う or 前の人に合わせる
これで大丈夫です。

補足として、私が初めて参列したときは、案内版も分からないし前に人がいなくて分からず、勇気を出して

“죄송해요…일본에서 와서 어떻게 해야 할지 잘 몰라서…”
(すみません、日本から来たので作法が分からなくて…)
と正直に伝えたところ、親族の方が本当に優しく教えてくださったことを覚えています。

まとめ

韓国は結婚式と同じく、お葬式も日本より“呼ぶ範囲が広い”文化があります。
故人との関係にもよりますが、悲しい時こそ人の優しさが胸にしみて助けになるものです。

私自身も支えてもらった経験があるので、これからも大切な人の節目には、できる限り誠意を尽くしたいと思っています。

マナーはあくまでもマナー。
一番大切なのは気持ちです。

この記事が、韓国での大切な時間を少しでも戸惑いなく過ごすための参考になれば嬉しいです。

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