初めて日本の温泉に行った義父の反応が予想外過ぎた話

韓国生活

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韓国の義父とウチワと、日本のおもてなし

先日、義父の家の荷物整理をしていて、こんなウチワがでてきました。


このウチワ、実はストーリーがあって、私には忘れられない思い出のつまったものです。

もうかれこれ、10年ほど前の話になるのですが、結婚前に日本の両親への挨拶もかねて、義父を連れて夫と日本へいったことがあります。
義父にとっては初めての海外旅行。
パスポートもそのために申請しました。

せっかくの初海外。いい思い出をつくってもらおうと思って、別日でちょっと奮発して良い温泉宿も予約しました。

※ここで義父の性格を簡単に説明すると、とにかく頑固。
自分の考えを曲げることをしらない。根は優しいいい人ですが、その頑固さに驚かされることもしばしば。

そんな義父を連れて日本へ行ったわけなんですが、まぁ大変。
初めての海外、初めての日本。
両親との顔合わせは以外は、しっかりと観光を楽しんでもらおうと思って、私がガイド役となりいろいろ観光名所を巡ったのですが…。
なんとそこで愛国心が爆発。

何をしても
「これは韓国の方がいい」
「こんなのは韓国にもいっぱいある」
「これは韓国の方が美味しい」
などなど。
何をしてもどこに行っても韓国の方がいい!と愛国心がとまらない。

挙句の果てには大阪名物のたこ焼きを食べてこの一言。

「こんなのは韓国の方が美味しい。」

え、嘘やん。たこ焼きの元祖大阪やで。
これ、めっちゃ出汁のきいた、美味しいたこ焼きやん。
韓国のたこ焼き照り焼きソースかかってるやん。
もう開いた口が塞がらない。
いろいろ言いたいことのありましたが、言えるはずもなく、夫も横で苦笑い。

でも。
そんな義父ですが、温泉に関しては違いました。
今回、近畿の兵庫県にある有馬温泉のとある温泉宿を予約していたのですが、日本のおもてなしサービスにさすがの義父も感動。

旅館のスタッフの方々や部屋食での仲居さんのきめ細やかなサービスに
「これは韓国にはないな…」
と、つぶやくほど。

よかった、連れてきた甲斐があった。
私も心から満足。
美味しいごはん、美味しいお酒。湯船でゆったりと日ごろの疲れも癒し、大満足で最終日を迎えました。

終わりよければすべてよし。
最終日チェックアウトのために荷造りをしていると――
義父が部屋にあったウチワをカバンの中に入れているのを発見。

「お義父さん、それ持って帰ったらダメなやつだと思いますよ。」
持ち帰りOKのアメニティと義父が勘違いしてると思って私がいうと、義父が笑いながら、
「これは持って帰っていいやつだよ。こういうところのやつは持って帰っていんだよ。」
と諭すように話すのです。

いやいやいや、これめっちゃしっかりしたつくりで模様も凝ってるし、絶対持って帰ったらあかんやつやん。
と思って裏をみると――
旅館名としっかりと部屋番号まで書かれています。

「ほらお義父さん、部屋番号まで書いてるし、やっぱり持って帰っちゃだめですよ。」
私はウチワの裏を見せながら説明。

「違う!これは持って帰っていいんだ!」

やばい、めっちゃ頑固モード入ってる。
見かねた夫が横から応戦するも、まったく聞く耳もだず。
こうなると誰が何といおうと聞かないので、カバンのウチワをどうすることもできず……
そのままチェックアウトのためにロビーへ向かうことになりました。

こんなにきめ細やかな素晴らしいサービスを提供してくれた旅館の皆さんに申し訳なさすぎて、どうしたものかと悩んでいると――
売店を見に行っていた夫が慌てて走ってきました。

「あのウチワ、3,000円で売ってる!めっちゃいいウチワだよ!」

高っ!!3,000円て。
もう絶対持って帰ったらあかんやん。
でも義父は意地でも認めない、それも明らか。

これはもう義父には言わずに、お金を払って買い取ろうと思って、お会計の際に正直に事情を説明しました。

「あの大変申し訳ないのですが、義理の父がお部屋のうちわを持って帰っていいものだと言い張ってきかなくて…。
見ると売店でも販売されてるものなので、もしよろしかったらその値段で、お部屋のウチワを買い取ることってできますか?」

すると受付のスタッフの方が
「少しお待ちください。」とその場を離れ、しばらくすると奥からどうやら責任者らしき男性のスタッフの方が登場しました。

そうやんな、やっぱちょっと判断しかねる内容やし、余計な仕事ふやしてそれもほんま申し訳ない…。
私が恐縮しまくって頭を下げると、その男性スタッフの方がとっても丁寧な口調でこうおっしゃたんです。

「海外から来られる方で勘違いして持って帰られるかたもいらっしゃいます。
正直に申し出ていただいてありがとうございます。
今回お代は結構ですので、よろしければ旅の記念にお持ち帰りください。」

!!!!!
もう予想外の返事にびっくりして、慌てる私。

「ほんとうにいいんですか?お代払います。申し訳なさすぎます…!」

「いえいえ、本当にその正直なお気持ちだけで十分です。」

これぞ日本のおもてなし文化!と心から感動。
もうすごくないですか?
これを夫に話すと「さすが日本。すごいね、本当に。」とびっくりしてました。

張本人の義父に伝えたかどうかが、記憶があやふやなんですが…
私が記憶にないということは、私の納得できる反応ではなかったということだと思います。

そんなこんなで思い出のウチワ。
さぞ義父が大事にしているかと思いきや、今は我が家のリビングに飾られてます。
本人おそらく覚えてない。

ほんま心底

なんでやねん。


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